AFNラジオの日々のオンエア曲を紹介するブログ
2月23日(水) PINK
はパンク!アヴェンジド・セヴンフォールド、レディー・ガガ新曲 OA
今週の AFN は月曜 11時〜18時が Jack-FM
制作と思われる1980年代ものなど「年寄り向け」音楽ばかりでタイクツでしたが、火曜は 10:30
から30分間だけだったので、まあよかったといったところ。
深夜帯は月-木が1980年代もので、聴くところナシ。
金曜が私の好きなオルタナ/ハード・ロック中心の Z-Rock 、といった状況です。
たまにちょこっと古いのがかかってもイイけど、やはり音楽は新しいのがイチバンです。
○今週のオンエア曲から
・Born
This Way LADY GAGA 試聴サイト
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2/23
(水)17:05 に初遭遇。エレクトロ・ポップの女王、レディー・ガガ、
話題の新曲。
リリースの噂は聞いてたし、2/26 付けのビルボードで早々と全米1位になったのは知ってたけど、ネットで探して聴くなんてヤボなことはせずに、自然な出会いにまかせていました。
音楽はラジオ(や街角)でバッタリ遭遇するのが一番だと思うし、人間でもそうだけど、出会いの瞬間はとても大切だから。
ラジオのノイズに埋もれてはいても、ブ厚い創りのサウンドはド頭から胸騒ぎを覚え、「小さい頃ママは私に言ったの、私たちは生まれつきのスーパースター」なんて歌い出しを聴いた瞬間、「おお、コレか!」と直感したのでした。Born This Way というタイトルだけは知っていたので。
ズンズンと突き上げるようなビートにガガ独特の少し毒を含んだ歌唱がのっかるダンス・チューン。
前アルバムからの 1st シングル Bad Romance の延長線上にある、ノリの良い曲です。
シングルとして(資料上では) 2/11 リリース。ニュー・アルバム Born This Way は目下のところ全米 5/23 発売の予定です。
・Nightmare
AVENGED
SEVENFOLD 参照(試聴)ページ
2/23、
久々のオンエアで、胸が熱くなった。
2010年の6月、アルバム リリース前にこの曲が初めてラジオから流れてきたとき、全身が震えたことをありありと思い出す。
ふしぎな胸騒ぎ。これがあの、新生アヴェンジド・セヴンフォールドの
新曲なのだと。
どんなに不幸なことがあっても、刻々と時は流れていく。生きている人間は前に進まなければならないのだ。新たな覚悟と共
に。
オルゴール風の序奏が不安を漂わせ、持ち前のツイン・ギターによる前奏が来たりくる嵐への期待感を高める。
リズム・ギターは鋼(はがね)がきしむようにザクザクと突き進み、感情をふり絞るような歌が駆けめぐる。
ツイン・バスドラムの連打とベースのうなりが高揚感を生み、ツイン・リードのギター・ソロが疾走する。
ハード・ロック的興奮にみちた作品だ。
全米1位を獲得したアルバム Nightmare (2010)
からのカット。
CD
: ナイトメア(初回限定)
さて、この「ナイトメア」がラジオでオンエアされるときは、キメのフレーズが Fffff Nightmare
というふうに、エフェクト処理でボカされます。ご存知のようにこの F***n' は下品な言葉だからです。
日本では親が教えないせいか、男も女も汚い言葉に無頓着な人が多くて、たまに面食らってしまうこともありますが、英語圏ではこのへん、意外と敏感なので注意が必要です。
ではこの F***n'
という言葉はどんなものなのか?
日本語では相当する語がなくて訳しにくいのだけど、ニュアンスとしては「ク*」に近いでしょうか。
日常レベルでは「クソ暑い」などと使う人は多いけど、放送ではほとんど発音されることはありません。
昔あるテレビ番組でブルー・ハーツの曲を「ク*ったれの世界のため」と女性シンガーを含めて合唱していたのを見てすごい違和感を感じたのを覚えていますが、 F***n' はまさにあの感覚に近いといえるでしょう。
このように、英語圏では人前で発音したくない、表記したくない言葉であり、放送や活字メディアでは伏字になってしまうの
で、使わないにこしたことはありません。 しかし ....
・Fuckin'
Perfect
PINK 参照(試聴)ページ
と、いうワケで、この曲。2/22 ほか、ヘビロテ中。
近年のピンクは Whataya Want From Me /
A. ランバート(参照ページ)、Raise Your Glass(参照ページ)など、「名曲の泉」のような時期なの
だけど、これもまさしくそう。
彼女の作曲能力がいかんなく発揮されたロック・バラード。美しいメロディそして、せつせつと歌い上げる歌声はちょっぴりせつなくて、胸にずしん、と響きます。
中間部のラップはこの曲をただのおセンチ・バラードではない、少しトガったラブ・ソングにしていて秀逸です。
この「フxxキン・パーフェクト」は最新アルバム、「グ
レイテスト・ヒッツ ( ... So
Far) 」からの新曲で全米2位 (2011/02/23 現在) を記録しています。
CD
: グレイテスト・ヒッツ
しかし、こんなに素晴らしい曲なのに、1位をとれませんでしたが、要因のひとつには前出の言葉の問題があったような気がし
てなりません。
こんな、F***n' なんて NG
ワードがあると放送ではかけにくいので不利になる、なんてことはプロフェッショナルなピンクにしてみれば百も承知だったはず。でも、それでもきっとこの言葉で歌いたかったのでしょう。「あなたって、バッカみたいにカンペキ」なんて、愛する人に「叩きつける」歌にしたかったのだと。
(2011/ 2月現在、 Radio Edit 版で You Are Perfect と編集して放送 )
ピンクという人は、かのパンキッシュ・ソング Stupid Girls
のように、「言いたいことを言う、やりたいようにやる」という、パンクの精神で貫かれている。
よく、パンクという言葉を「パンク・ロック」なんて音楽ジャンルだと勘違いしている人が多いけど、真の意味は違う。
不条理なことに安易に迎合せずに、信念を持って反抗する、その精神こそがパンクなのだ。
「パンクとは、音楽スタイルを意味しない」 (ザ・クラッシュ)
「1位をとれなくなるかもしれないけど、知ったこっちゃないわ、私は好きな言葉で歌いたいんだから」、そんな彼女の声が聞こえてくるようだ。その精神は、まさしくパンクである。
だから私は彼女の音楽と、精神がたまらなく好きだ。P!nk はすばらしい芸術家だと思う。
2月17日(木)デヴィッド・アーチュレッタ、HOT CHELLE RAE
のバラードとEYES SET TO KILL
今週は2011年グラミー授賞式があり、2/14(月)のAFN ニュースでも度々とり上げられていました。
GRAMMY.com
有名どころで目立ったのがレディー・ガガが3部門とレディ・アンテベラムの最多5部門受賞。グラミーなど、芸術作品に与える賞はキングス
・オブ・レオンの項(参照ページ)でも書いたけど、個人的に好まないので細かなコメントは控えますが、両者とも良い仕事をしたと思います。
特にレディー・ガガの当該アルバム「ザ・モンスター」は楽曲の質の高さに加えてサウンド・メイキングが秀逸でし
た。
ヘッドフォンで聴くとよくわかりますが一つひとつの音の使い方、重ね方、エフェクト処理などよく計算されていて、M1) Bad Romance
から圧倒的音圧で迫ってきてそのカッコ良さに感動します。
同時期の他の低予算(と思われる)アルバムと一線を画すような音響世界を創っていて、こうした技術的な面も評価されたのだと思います。
CD
: ザ・モンスター
技術の話が出ましたが、グラミーという賞自体、全米録音芸術科学アカデミーという専門的な機関によって選考されるのでヒットしたり人気があるものが必ずしも賞をとるとは限りません。一般リスナーから見て「何これ?」と違和感を感じるような受賞作があったりするのはそのためです。
そんなワケでグラミーは一般の音楽ファンにはさほど大きな意味はありませんが、あまり知られていなかったアーティストに触れる良い機会になるかも知れません。2010年の10月に当サイトで紹介した レイ・ラモンターニュ Beg Steal Or
Borrow (参照/試聴ページ)なんて、今回ノミネートでもさ
れなければ聴こうとしなかった人は多いでしょうから。
○今週のオンエアより
AFN で日中の番組内に挿入される1人語りコメディのコーナーで 2/15 に早速グラミーが餌食に。
これは David Letterman の Top Ten List という番組枠で、時事のネタをギャグで茶化して順位付けるというもの。
「第○位、レディー・ガガとレディ・アンテベラムが同時受賞で新バンドを組んだ。その名も...レッディー・ガガンッテベ
ランム!!」と、こんな調子。
彼はオバマ大統領や日本人などのデリケートな人種問題までもギャグのネタにしてしまったりするので、時々ドキリとしますけどね。
・Crush
DAVID
ARCHULETA 参照(試聴)ページ
にゃんとも心地よい歌声。この曲がラジオからフッと流れると癒されます。
やさしいピアノの調べと共にゆったりとした川の流れのように、滑らかに歌われていくポップ・ロック。
いくえにも重ねられたコーラス部分での透き通るような高音がなんとも言えず、美しい。
デヴィッド・アーチュレッタはアメリカのシンガー・ソング・ライター。現在20歳(2010年)の若さながら、その歌唱力は確かなものを感じます。
10歳の頃から数々のアメリカの大きなコンテストを勝ち抜き、2008年にこの「クラッシュ」でデビュー。
この曲、そして同収録の 1st アルバム
「デヴィッド・アーチュレッタ」、共に全米2位を記録し、人気を決定づけました。
・Bleed
HOT CHELLE
RAE 参照(試聴)ページ
2/16
のオンエア。
やさしげなアコースティック・ギターのカッティングに導かれて歌われるロック・バラード。大空に響き渡るような熱唱が胸にせまる美しさです。
ホット・シェル・レイは2005年に
結成されたアメリカの4人組バンド。
2009年、ヒット・メーカーのブッチ・ウォーカー(参照ページ)のプロデュースで 1st
アルバム Lovesick Electric
を発表し、デビュー曲の
I Like to Dance はノリの良いダンス・ポップでラジオのオンエアなどで話題に。
この Bleed は 2nd シングルで全米 Pop
Songs チャートで31位 (2011/ 2月現在 ) のスマッシュ・ヒットとなっています。
十代を含む若いバンドでルックス的にもイメケンだし、ブレイクの予感は充分。
・The
World Outside EYES SET TO
KILL 試聴サイト | CD
: ザ・ワールド・アウトサイド
2/16 のオンエア。
クラシカルなピアノによる神秘的な導入部から、ハードなギターのバンド・サウンドによってダイナミックに展開するゴシック系ハード・ロック。
女声のハード・ロックは最近ヘイルストーム(参照ページ)とフライリーフ(参照
ページ)を紹介したけど、タイプとしては後者に近いか。女性的なソプラノ系によるロックだ。
アイズ・セット・トゥ・キルは2003
年結成、Alexia (G, Vo ) と Anissa (B, Vo ) の Rodriguez
姉妹らによるアメリカのバンド。
2008年から2010年までに3枚のアルバムを発表し、この曲は 2nd アルバム The World Outside からのカット。
Photo : 虚空慈 kokuuji
アップロード : 2011/02/17 更新
: 2011/03/07
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