AFNラジオの日々のオンエア曲を紹介するブログ
3月17日(木) 原発危機の日とブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
今朝は心臓が凍りついた。
10時のAFN ラジオから聞こえてきたのは
「福島第1原発の原子炉が溶解、アメリカ政府によると、日本全土に放射能汚染が広がり、アラスカから米国西海岸に及ぶと見られている」
作業の手を止めて別室のテレビを急いでつける。
朝、テレビをつける習慣のない私には寝耳に水だった。昨日から洗濯物を外に干さないなど、少しは気にしていたのだが。
「いよいよダメなのか」...刹那、死を意識した。
NHK では30km
地点からという、とてつもない望遠レンズでヘリからの放水を映し出していた。
ドキドキしながら30分ほど凝視していたが、コメントを聞く限り、さきのニュースのような深刻さは伝わってこない。
しかし、政府や東京電力が情報を操作している可能性も否定できない。
国民の混乱を避けるべく、都合の悪いことは伏せているのでは、という疑心暗鬼がある。
一方では私の聞き落とし(「聞き違い」ではない)の可能性もあった。
実は冒頭の文の前に「最悪の事態になった場合は」という文があったのかもしれない。当時ラジオから離れたところで作業をしていたから。
ただ、いずれにせよ、日本のテレビや新聞では私の知る限り「最悪の想定」を説明していない気がする。
...ああ、これ以上は書けない。
20時のニュースによると、夜間の3号機に対する地上放水は強い放射線により近づけず、目標に水が到達できずに終わった、
とのこと。
しかし、
この原稿執筆中の 21:15 の NHK ニュースでは、それを覆して「水は到達していた」との報道がなされた。
今晩は、眠られるだろうか。
○今日のオンエア曲
・Tears
Don't Fall BULLET FOR MY
VALENTINE 試聴サイト | CD
: Poison
奥行き感のあるギター・アルペジオか
ら、爆裂ハード・ロックが展開する。
コーラス・ハーモニーを活かしたメロディ・ライン、そして物凄いエネルギーをぶちまけるスクリーム声のパートがド迫力だ。
こんな凄まじい
絶叫してたら身が持ちませんよ、と言いたくなるくらいで、案の定、シンガーのマシュー・タックは喉の手術をしているそうです。
でも、その甲斐もあってか(?)胸がアツくなるような熱気に満ちています。
ギター・ソロのスピード感とツイン・ギターのハモリもかっこイイ曲。
ウェールズ出身のバンド、ブレット・フォー・マイ・
ヴァレンタインの2005年のデビュー・アルバム The
Poison (全英、全米ほかでゴールド獲得) からのカット。
ちなみに AFN のDJ
も「この曲のビデオもすっごくカッコいいんですよ」と言っていましたので興味ある人はご覧あれ。
・Forget You (Fuck You
!) CEE LO
GREEN
この曲サイコー!、なんだけど、今も地震があったり、イロイロあるので今日はここまでにしておきます。
3月13日(日) 大地震の日の ALL THAT REMAINS
3月11日(金)の昼下がり、私はかねてより楽しみにしていたオール・ザット・リメインズの来日公演へと向かうべく電車に
乗った。
会場は渋谷のクラブ・クアトロ。あんなに小さな会場で間近に彼らを見られるなんて。あのテのメタル系のバンドはフツーならフェスなど大き
な会場でしか見られないかと思っていたので、ホントにわくわくしていた。ツーバスだあ!ツイン・ギターだあ!ハード・ロックだあ!燃える
なあ。
事前に作成しておいた彼らの全シングル11曲と、合間にフライリーフやらアヴェンジドやらアポカリプティカなど、現代HR
をちりばめたスペシ
ャルCD をケータイに入れたのを聴きながら、そんな白日夢を見ていた。
...と、ゴトリと電車が止まった。14:46 のこと。
「緊急停車か。まあいいや。時間はタップリあるし」
と思った矢先だった。ぐゎたた、と電車が揺れた。
一瞬、横転するかと思った。線路脇の電柱もすごい揺れてて、ポキリと折れそうで怖かった
。でも、そんな揺れにもかかわらず田んぼの先の街道では車がフツーに走っていて、妙な感じがした。
ほどなくして電車がゆっくりと動き出し、次の駅で発車を見合わせるとのアナウンス。そのうち周りの人々がざわめきだしたの
で、ほとんど初
めてワンセグなるものをつけてみて、コトの重大さがわかった。
大地震で東武鉄道が16時で全面営業停止、首都圏の鉄道は全て運行停止だ。新橋あたりのビルでは火の手が上がっている。ただゴトではない。
立ち往生の車内で3時間もするうち、復旧見込みが全くないため宿泊施設がある隣のターミナル駅まで振り替え用のバスで乗客
を送るという事態となり、さすがにあきらめた。ああ、ツーバスがああ....。
でも、ただ帰るのはシャクなので、招へいのクリエイティブマンに電話してみた。ライブ自体が中止ならあきらめもつくから。
しかし案の定、話中でずーっとつながらない。
駅前唯一の公衆電話は私の後ろに数人並んでいたので、話中→切る→かけ直す、をあまり繰り返すとひんしゅくだ。
直接会場にかけるというテもあるが、チケには番号が載っていないのでわからない。
やむなく、待つ人を少しでもごまかそうと手帳をパラパラめくってはかけ直す、という姑息な芝居をしてみた。すると...なんとアドレス欄にクアトロの番号
が!しかも 03-477-8750 という、東京9ケタ時代のもの。すげえ昔のやつだ。かなり不安だったが、ものは試しと、かけてみる。
「えーと、たしか477 の前に "3" をつければよかったナ」
すると...つながった!しかもあっさりと。
さて、クアトロによるとライブは予定通り行うと言う。
やるなあ...こんな時こそ音楽だよなあ...と、一瞬感心したが、現状では物理的に渋谷へ行くことは不可能なので、チケットの払い戻し方法を聞いて遠路
タクシーで帰った。
車内から見る限り、栃木あたりではさほど被害はなく、酒屋の棚もダイジョブそう。稀に壁がはがれた家があるくらいだ。
それにしても、今回のような緊急の場合に(それほど緊急でもないが)「紙に手書き」といった最もアナクロな手段が役に
立ったのは、非常に象徴的だ。
ケータイのメモリーに代表される電子機器に安易に依存していると、それが使用不能の事態になった場合、全く手も足も出な
い。
私は電話は番号をひとつずつダイヤルしてかけるのを習慣にしている。そうすることによって、いつしか番号を覚えることができるからだ。
紙に手書きの文字を見ながらすれば、より効果的である。多くの人間は文字などのテキスト・データだけよりも、「文字が書かれた紙」という画像としての方が
記憶に残りやすいからだ。
私はかつて、外出先で見失った電話番号を必死で思い出して、大事なビジネスで失敗せずに切り抜けたという経験が何度かあ
る。それも
「半導体メモリー」に頼るよりも、ひとつずつダイヤルして「頭脳メモリー」を訓練してきたおかげだ。
これは私が初めて勤めた会社の社長から学んだこと。今後もきっと大事な場面で役に立つはずだ。
でも、こんなことを話しても、「そんなの、絶対ケータイ忘れなきゃいいじゃない」とか、「バッテリーの予備を持ってればい
いんですよ」などと真顔で言ってくる人がいて、全身の力が抜けてしまうこともよくあるのだけれど。
家に戻って、床じゅうに散乱したCD やら書類やらを片付け、ライブに思いを馳せて半ベソかきながら ALL THAT
REMAINS の音楽を聴く。
テレビの全チャンネルで映されるは悲劇の数々。運、不運、生と死を分けるものは何なのか.......
○3/11(金)のオンエア曲
・Hold
On ALL THAT REMAINS
参照
(試聴)ページ
深夜の Z-Rock で24:30 にかかった時、「見たかったなあ」と無念さがぶり返した。
...
と、曲の途中で震災アナウンスに分断されてしまった。(泣)
大変なことが起こっても、音楽は心を癒す。勇気を与える。
ライブにふみ切ったのも、メンバーのそんな想いからだったのかも
しれない。
どアタマからツイン・バスドラが炸裂!ああ、ツーバス...(もう泣くなっ!)
さらにハイハットのラフな4つ打ちとメタリックなギター・リフが重量感をかもし出す。
ミドル・テンポで歌われるヘヴィ・メタルはブレイクののち、シャウトの合図でスピード・メタルへと疾走する。
早弾きのギター・ソロが痛快だ。
オール・ザット・リメインズは以前 Two Weeks (参照/試聴:Now 08-11)を紹介した時も
言ったが、メタルをコンパクトにまとめるのがうまいバンドだ。
この曲も良いメロディ、ヘヴィネス、スピード感といった要素をタッタ3分の中で体現していて、実に見事だ。
通算5枚目のアルバム For We Are Many
(2010) からの 1st カット。
今回は残念だったが、バンドとしても良い曲が揃った今が最高に近い状態なので、なるべく早く見たいものだ。
できれば小さな会場で。
Photo : 虚空慈 kokuuji
アップロード : 2011/03/13 更新
: 2011/04/07
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