AFNラジオの日々のオンエア曲を紹介するブログ
1月4日(火)デヴィッド・ゲッタ、ウォールフラワーズそしてベートーヴェン!
日本の正月、すなわち働きバチ日本人の哀れなお仕着せの休日期間は社会全体もぬるい雰囲気。
そんなとき、久々にこんなのを聴いてみた。
ピアノ・ソナタ 嬰ヘ長調
作品78 ベートーヴェン
ありゃま、これってクラシック!
俗に言う「熱情」の次に書かれた、第24番と呼ばれているもの。
何とも愛らしくて、どこか懐かしい、軽やかなソナタだ。
2楽章形式で10分足らずの曲ながら、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32作の中でも私の中では3本の指に入る傑作である。
(ちなみに、他の2本には悲愴も月光も熱情も入ってないよ。へへっ!)
モーツァルトほど甘すぎない、ショパンほど寂し過ぎない。ベートーヴェンのピアノ曲はやっぱり最高だ。
そして作曲家としても至高の存在である。
彼の作品には美しさ、せつなさ、楽しさ、愛らしさ、そしてロックのような激しさまで、音楽のすべてがある。
交響曲イ長調 作品92(俗に言う7番。最近ではテレビの「のだめ」で有名に)は200年前のハード・ロックだ!
当時の人々はさぞや度肝を抜かれたことだろう。
さしづめ今回の嬰ヘ長調ソナタは短くて親しみやすい、ベートーヴェンのポップ・ソングといったところか。
今にち、誰でも知ってるたぐいのものではないが、ベートーヴェン自身は当時賞賛された「月光」と同じくらいこの曲を誇りに思っていたという。
そんな、「隠れ名曲」、聴いたのは私の好きなピアニスト、マウリツィオ・ポリーニによるもの。
彼のタッチとその響きははとってもチャーミングで、心にしみるのだ。
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でCDをみる | 試聴サイト
○AFN でオンエアしている小ネタのコーナー Rock
History 〜「ロック界での1月4日の出来事」は
・1969年、キング・クリムゾンが結成される
DJ は British Underground Group
と言っていたが、キング・クリムゾンはイギリスが生んだアート・ロッ
ク(プログレ)の巨星だ。
デビュー・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」は
ロックの凶暴さとクラシックの神秘的な美しさを併せ持った強烈な作品だった。今作がビートルズをトップの座から引きずり下ろしたという話はあまりにも有
名。
ク
リムゾン・キングの宮殿(紙ジャケット仕様)
とにかくこのバンド、夜一人で聴くと怖くなるような神秘的な音のシンフォニック・ロック + 暴力的なロックという二
面性を持っていて、今考えると「神話」みたいな不思議な存在だ。
有名なアルバムもいいけど、ここでは彼らの4枚目「アイランズ」を推す。
特にM3 The Letters は美しく、しかし狂気の展開をみせて、背筋がゾッとしそうなとこが好き。
CD
: アイランズ(紙ジャケット仕様)
・Billboard 誌が1936年、創刊される
チャー
ト・ランキングを記録したはじめての業界誌であり、まさに「トップ10の誕生」であった。...って、DJ の言葉そのまんまでした(失礼!)。
詳しく知りたい人はウィキペディアで
どうぞ。
また、当サイトでは右メニューにも Hot 100 のリンクがはってあるので、そちらもご覧あれ。
○1月4日(火)のオンエア曲
・One
Headlight THE WALLFLOWERS
いんやあ〜、午前中、つまり朝っぱらからこんなシブ〜いロック聴いちゃってダイジョブ?
ハスキーな声そして、都会のたそがれを思わせるようなブルース・テイストに満ちたロックだ。
でも、久々ラジオでばったり聴くと、しみじみイイ曲だと感心した。
ギターのよどんだ響きで幕を開け、その空気を打ち破る、パシッと乾いた感触のスネア・ドラムにルート(根音)弾きの肩を揺
すぶるようなベースが並走して静かに、少しずつ感情を高ぶらせてゆく。
地からわき上がるような絶唱はコーラス部分への狼煙(のろし)だ。
ジェイコブ・ディランの感情を絞り出すような歌唱が聴く
者の心を激しくゆさぶる。
「永遠のものなんて何もないけど、俺とシンデレラは何とかやっていけるさ。
車のヘッド・ライトが片方だけでも家にたどりつけるのだから」
ジェイコブ・ディランはロサンゼルスの明るい陽気の裏にひそむよどんだ空気を独特のセンスの歌詞でうたう。
初期のブルース・スプリングスティーンがニューヨークの喧騒を活写したように。
試聴サイト
| CD
: Bringing Down the Horse
ザ・ウォールフラワーズはシンガーであるジェイコブ・ディランを中心に1989
年にロサンゼルスで結成されたバンドで、1996年発表のこの曲は全米1位の大ヒット。
グラミー賞でもベスト・ロック・ヴォーカル・パフォオーマンス(グループ)とベスト・ロック・ソングの2部門を獲得しています。
この「ワン・ヘッドライト」を収録
した 2nd アルバム Bringing Down the Horse
も全米4位、売り上げ400万枚の大ヒット。
全編味わい深いヴォーカルの心にしみるロックがあふれていて、自宅でコーヒーでも片手にゆったりとくつろぎたい、そんな気分にさせるアルバムとなっていま
す。
さて、最新モノのオ
ンエアでは、ニッキー・ミナージュが超ウレウレ。
彼女がらみの曲がメチャクチャかかってて、困っちゃっうくらい。
たとえば
・I Ain't Thru KEYSHIA COLE ft. NICKI MINAJ
・Roman's Revenge NICKI MINAJ ft. EMINEM
といったトコロ。
でもやっぱ、今日はコレかな。
・Who's
That
Chick DAVID GUETTA Ft. RIHANNA
なんスか?
このノリの良さは。ムチャクチャかっこイイじゃないですか。
車の中でばったり聞こえてきたら、ハンドル揺れそうでヤバかった。
ノリノリのエレクトロ・ソウルで、歌うのは AMA 授賞式でも大暴れ(12/27
参照)、あまたのアーティストから「歌ってくれない?」とひっぱりだこの「コラボの帝王」リアーナ。
ここでも、相手を乗っ取りそうなイキオイのリアーナ旋風が吹き荒れてますが、彼女の超絶歌唱を包んでいるのはあくまでもデヴィッド・ゲッタの音響空間。
全編にわたって渦巻く、「デヴィッド・ゲッタ印」の機械的なシンセのループがメチャおしゃれです。
試聴サイト | CD
: ONE MORE LOVE
デヴィッド・ゲッタはフランスのDJ / 音楽クリエイター。
マドンナやジェニファー・ロペスなど、アメリカの大物アーティストの楽曲のサウンド・メイキングでも有名で、自身も全世界で300万枚以上のアルバム・
セールスを誇ります。
この曲は2011年に日本でも発売が決定した One
More Love に収録。
Photo : 虚空慈 kokuuji
アップロード : 2011/01/02 更新
: 2011/02/02
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